信康の長女・登久姫は小笠原家に

前回の連載でも述べましたが、父として兄として、娘や妹が幸せに暮らして欲しいと願うなら、何はともあれ安全第一。戦乱から遠い家に嫁がせたいのではないでしょうか？　どんなに利用価値が高くても、政略結婚の道具にはしたくないんじゃないかな。

それで、家康は信康の遺児をどこの家と縁組みさせたか。

長女・登久姫は14歳の時に、信濃の名家、小笠原家に嫁ぎました。

この家は武田信玄に敗れて零落しているところを、家康が助力して立ち直らせた名門です。徳川に逆らって戦いになる、といった事態は考えなくともよさそうです。

実際、姫と夫の小笠原秀政との仲は良好だったらしく、8人の子宝に恵まれました。