手前が「ふかひれあんかけそば」の蟹ソース。鮮やかなオレンジ色のソースは人参のピューレがベース。そこにズワイ蟹と蟹卵、吉切鮫の散翅と魚唇入り。鶏や豚のガラでとったコクのあるスープがふかひれの旨みを支えている。奥は「鮑の蝦子煮込み」。添えた魚は金目鯛

 

中華三大珍味の一つと言われている“ふかひれ”(あとの二つは、干し鮑と海燕の巣)。大きな鮫のヒレを乾燥させたもので、日本でも高級食材として知られる味だろう。

のふかひれにフォーカスした専門店が、今話題のスポット・麻布台ヒルズにオープンした。その名も「ふかひれ家」。

コースのアミューズとして登場する「生ハム花山椒風味ミニバンズ仕立て」。ジューシーでまろやかな脂身の尾瀬ポークの肩ロースを中華スパイスに漬け込んで作るオリジナルの生ハムも自慢の味。写真の料理は、すべて7260円のランチコースから。写真のほか、よだれ鶏などの前菜一品と本日の点心3種、デザートがつく

仕掛け人は四川料理の重鎮、菰田欣也(こもだきんや)シェフだ。

曰く「日本、なかでも気仙沼は世界的に有名なふかひれの産地。日本人にも馴染みの深いこの食材の美味しさを、味付けや調理法を工夫することでもっと多くの人に知ってもらいたい」との思いから始めたとか。

店を託したのはホテルニューオータニ「大観苑(たいかんえん)」出身の金澤祐斗シェフ。ここでは、気仙沼産毛鹿鮫(もうかざめ)や吉切鮫(よしきりざめ)のヒレを煮込んだり、焼きつけたりと、さまざまにアプローチ。

ランチでは、吉切鮫のヒレの散翅(サンツー)(バラ)と魚唇(ユィチェン)(ふかひれのえんがわ)がたっぷり入ったあんかけそば(またはご飯)をコースで楽しめる。

ソースも、定番の醤油味をはじめ青山椒風味の翡翠ソースに蟹ソースと、3種の味を用意。夏の疲れた肌にも嬉しいご馳走だ。