イメージ(写真提供◎Photo AC)
貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。第80回は「アーティストのメンタル」です。

アーティストが持つべき姿勢

現在YouTubeとHuluで配信中のちゃんみな×BMSGのガールズオーディション番組「No No Girls(通称:ノノガ)」。圧倒的歌唱力やダンススキルを持った候補者たちの実力と共に、26歳ながらあまりに成熟した発言をするちゃんみなにも大きな注目が集まっている。

審査の度に、ちゃんみなからひとりひとりに講評のコメントが送られるのだが、その言葉がどれも観ている人の心に刺さるものばかりなのだ。

ちゃんみなは、アーティストが持つべき姿勢について、次のように述べた。

「私は特に、ステージで自信がなさそうな人は見たくない。だから、本当に自分はすばらしい声を持っているんだっていうのだけは絶対に忘れないでほしい。死ぬまで忘れないでほしい」

「歌、ダンス、パフォーマンス、これにネガティブになってしまった時点で負けなのよ。全部終わりなの。練習してきた時間もそうだし、練習に関わってくれたみんなにもそうだし、このステージに関わってくれたみんな見に来てくれたみんなに対してめちゃくちゃ無礼なんですよ。ここが中心なんだから、ここからは絶対ポジティブなものを出していかないと人が離れていくと思います」

一方で、プライベートではネガティブになってもいいとも付け加えていた。ちゃんみなとともにオーディションを行うSKY-HIも「不安とかネガティブとか自分なんかと思うことって決してマイナスばかりじゃないと思っていて」と言っていた。

練習など、パフォーマンスの場以外で自信を無くして涙してしまう練習生に対して、中には視聴者から「メンタル大丈夫なのかな?」「アーティストはメンタル強くないと」という声も上がる。でも、私は、「泣かない=メンタルが強い」ではないと思う。

ちゃんみなはノノガの中で「私がすごく大事にしてる言葉があって、人を泣かせるんだったらあなたは1000度泣かなきゃいけないっていう言葉があるんです」と口にしていた。悔しさや自信のなさを一時は経験しても、そこから立ち上がれば、様々な人の気持ちがわかり、共感を得られるアーティストになれるのではないか。