近年、健康志向の高まりとともに、「筋肉」への注目が集まっています。そんななか、「筋肉は、医学では糖や脂肪を燃焼する『代謝臓器』と位置づけられています」と語るのは、京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授の青井渉先生です。そこで今回は、青井先生の著書『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』から一部を抜粋し、ご紹介します。
筋肉が脳や内臓に及ぼす影響とメカニズム
日常生活の中で運動を行う目的は何でしょうか?
現代社会にあっては、運動の目的を痩せるため、と答える方は多いでしょう。容姿を良くしたい、健康になりたいなど、様々な痩せたい理由があると思います。あるいは筋肉をつけるため、運動自体を楽しむためにする方も多いでしょうし、スポーツ選手ならば競技力を高めるために日々トレーニングに明け暮れるでしょう。
一方で、私たちが生命を営むには、エネルギーを獲得すべく食物を摂取して、栄養素を体内に取り入れなくてはなりません。理想的には、体内で必要なエネルギーと同等の量を食事から摂取したいところです。
食べすぎると余分なエネルギーは体脂肪として蓄えられ、太ります。体脂肪量はエネルギーの摂取量と消費量のバランスによって決まります。そのため、食事量が変わらないまま運動量が増えると、体脂肪がエネルギーとして利用され、減量することができます。