脳科学から見た「あばたもえくぼ」
恋愛時代を経て、長年付き合っているとパートナーとの関係も変化してくるものです。穏やかな関係を目指したいところですが、相手の嫌なところが目につくと、関係がギスギスしてくることもあります。脳科学では、パートナーシップをどのように捉えているのでしょうか。パートナーシップについて考えたいと思います。
どんなカップルにも恋の始まりはあり、「なにをやっていても好き」な時期があると思います。ただ、長年連れ添っていると、相手の嫌なところばかりが目についてイライラするなど、険悪になっていくこともあります。脳の働きからこのような仕組みを説明することはできるのでしょうか。見ていきましょう。
まずは、「恋愛」において脳のどこが活性化するのかというところからお話しします。
恋の最中では、「腹側被蓋野」という「快感」「やる気」に関わる脳の部位が活性化します。腹側被蓋野には快感ホルモンであるドーパミンを発生させるニューロンが集まっており、恋の気持ちは報酬系やモチベーションを高めます。
同時に、恋の最中は「側頭頭頂接合部」や「扁桃体」の活動が低下します。つまり相手を批判するとか嫌なところを探すことはなくなります。彼や彼女を見ると、それだけでいい気分になってワクワク、ドキドキ。嫌なところなどまったく見えない、いわゆる「あばたもえくぼ」は脳の働きからも説明できるわけです。
恋の始まりの頃に相手の顔写真を見ると体の痛みも軽減する、ということもわかっています。これは、恋人の顔を見ているときには報酬系が活動し、快感ホルモンであるドーパミンの分泌が促されるためだそうです。
つまり、恋は痛みまでマスクするのです。しかし、恋に限らず、戦いの最中でも痛みのマスクは起こります。性交渉も、ともすれば痛みを伴うことはありうるので、そういった場合もマスク作用が起こっているのかもしれません。だからこそ、長く付き合ってきたパートナーが性交痛を訴えたときなどは、痛みに対する配慮をできることがパートナーシップとして大切ですね。