究極の癒し効果があると言われるバロック音楽
バロック音楽とは、17世紀頭から18世紀半ばまでのヨーロッパ音楽の総称で、時代的には絶対王政の時代とほぼ重ねっています。このバロックという言葉はポルトガル語の「いびつな真珠」を意味するbaroccoが由来で、最初は当時の華美な装飾の建築を揶揄する言葉でしたが、17世紀から18世紀までの芸術全般の様式を表す言葉となりました。
このバロック音楽は「彫刻や絵画等と同じように速度や強弱、音色などに対比があり、劇的な感情の表出を特徴とした音楽」といわれ、豊かな和声、装飾的なメロディ、複雑なリズムなどが特徴です。しかし、時代や地域、作曲家などによって様々な表情を見せるものでもあります。
そして、このバロックの有名な音楽家と言えば先ず「音楽の父」と言われるドイツのバッハ(ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)。「G線上のアリア」「トッカータとフーガ」は誰でも聴いた事がある名曲です。そして「四季」で有名なイタリアのヴィヴァルディ(アントニオ・ヴィヴァルディ)。イギリスのヘンデル(ジョルジュ・フレデリック・ヘンデル)は「ハレルヤ・コーラス」「オンブラマイフ」で有名です。
その他にもモンテヴェルディ、グルック、ラモーらが有名です。
さて、このバロック音楽。究極の癒し効果があると言われています。
その効果はかなり研究されていて、たとえば、2003年に発表された日本の研究では、バロック音楽を聴くと脳波や神経活動が変化し、リラックスした気分になり、ストレスや不安を軽減できたとしています。
また、別の研究ではバロック音楽の持つリズムやテンポが聴き手の心拍数や呼吸と調和することで、心身へのリラックス効果と共に、心拍数や血圧を下げることが示されています。
さらに、バロック音楽は、複雑な和声やリズムを持つ事から、これが聴き手の脳を刺激することで、認知機能を改善する効果があるとされています。たとえば、2013年に発表されたドイツの研究では、バッハの音楽を聴くと認知機能の向上が認められたことが発表されています。
バロックは貴族がパトロンとして優秀な音楽家をかかえていた時代。そんな貴族たちが自分たちの癒しの為に音楽家に曲を書かせ、演奏させていたとも言います。
言ってみれば、当時のセレブの為のヒーリング音楽であったわけですね。