卒業生の親が経験を伝える座談会は、学校の意思表示になった

毎年4月末に、直前に卒業した児童の保護者数名を招き、事前に集めた質問に答える形で体験を語っていただきます。参加するのは4年生以上の保護者。毎年200名以上の在校生保護者が参加し、熱心に話を聞きます。

卒業生保護者の話は多岐にわたります。通塾を始めた時期、塾選びの際に気をつけたこと、転塾のこと、学校の宿題との両立、過去問に取り組み始めた時期、健康管理、入試当日の話などさまざまです。

そして、保護者によって取り組みもそれぞれです。一から十まで管理した方もいれば、子どもの自主性にまかせた方、両親で役割分担をした方もいます。

私のほうは、話のどこかがこれから受験する保護者の参考になればよいと考えていましたから、制限することなく自由に話をしていただきました。

同じ小学校で、同じ教材を使い、同じような先生たちから学び、同じような中学校を目指しているわけですから、経験者の話はとても参考になると思います。

1時間半ほどの会ですが、終わった後には個別に質問する方もいますし、「大変参考になった」「みんなが受験する環境でよかった」などの感想をアンケートに書かれている方も多くいらっしゃいました。

この卒業生保護者の座談会が、学校が中学受験を前面に出して本気で取り組む、つまり洗足学園小学校では中学受験があたりまえであることの意思表示になったように思います。

※本稿は、『心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(著:吉田英也/中央公論新社)

全員が中学受験をする名門校「洗足学園小学校」。

受験をサポートする体制を作りあげた前校長が教える、「人生の役に立つ」教育メソッド。