今現在の巖は妄想の世界を行ったり来たりしております
そういう生活でもね、拘置所にいることを思えば何でもない。拘置所に今も入ってるんだったら、わたくしもやきもきしたんでしょうけどね。
2014年の3月27日に釈放されて。わたくしはその時にもう勝ったと思っております。絶対勝ったと思っている。後の裁判とかそういうものは、やらなきゃしょうがないからやってると思ってる。
わたくしは気楽にしておりますが、弁護士さんの先生方は、大変でございます。いちいち(検察に)反論したり、書類を作ったり。それもやっと終わりました。
9月26日には大いに期待して、待っております。皆様、本当に長い間、お世話になりました。おかげで再審開始になりました。
それこそ皆様の後押しがあってこそ、でございます。ありがとうございました。もうしばらくお付き合いいただきたいと思います。9月26日までよろしくお願いいたします。失礼いたしました。(拍手)
※本稿は、『袴田巖と世界一の姉:冤罪・袴田事件をめぐる人びとの願い』(花伝社)の一部を再編集したものです。
『袴田巖と世界一の姉:冤罪・袴田事件をめぐる人びとの願い』(著:粟野仁雄/花伝社)
いよいよ審判が下る、戦後最大の冤罪事件
見込み捜査と捏造証拠により死刑判決を受け、60年近く雪冤の闘いが繰り広げられてきた袴田事件。
数奇な運命をたどってきた88歳の死刑囚と91歳の姉、そして「耐えがたいほど正義に反する」現実に立ち向かってきた人々の悲願が、いま実現する…
無実の人・袴田巖氏を支え続けた姉・ひで子さんと、弁護団・支援者たちの闘いを追った、渾身のルポルタージュ。