「要介護」の実際
そもそも「介護」と聞くと、皆さんはどんな場面を思い浮かべるでしょうか。
多くの人は、寝たきりの高齢者に寄り添い、おむつ交換や入浴介助をする光景を想像するのではないでしょうか。確かにそれは介護の一部であり、欠かすことのできない支援です。しかし現場に立つとすぐに気づきます。それは介護全体の一部分であり、すべてではないということです。
介護には「要支援1」から「要介護5」まで段階があります。
要支援1の方は、まだ生活の多くを自分でこなせますが、買い物や掃除など日常生活の一部に少し手助けが必要です。
要支援2になるとサポートの頻度はやや増えますが、趣味や散歩を楽しむなど元気に過ごせる方が多くいます。
要介護1から3では、食事や入浴、排泄といった基本的な動作に部分的な介助が必要になります。とはいえ、この段階でも外出や趣味活動に参加できる方は少なくありません。
そして要介護4、5になると、寝たきりや認知症の進行などで日常生活全般の全面的な支援が求められます。こうして見ると、介護度によって必要な支援はまったく異なり、「介護を受けている人=みな寝たきり」というイメージは誤りであることがわかります。
実際、私自身もベンチャーキャピタルなどの投資家と話す機会があるのですが、そのときによく驚かれることがあります。
「介護を受けている人で元気な人なんているの?」と、半ば本気で尋ねられるのです。社会の多くの人々にとって、介護を受ける高齢者はベッドに横たわり、力なく支えられる姿を想像するのでしょう。
しかし現場に立つと、そのイメージは一変します。笑顔で外出を楽しみ、自分の足でしっかり歩き、家族や職員と冗談を交わす高齢者の方も数多くいるのです。そのギャップこそ、私が伝えたい介護のリアルです。
