もっと怒りを取り戻してもいいんじゃないか
あるとき、なにげない対談のなかで、鎌田が語っている。
〈阿川(佐和子) おうちでも何でも受け入れて、怒ることはないですか?
鎌田 あんまり怒らない。すごく仲がいい家族だけど、困った夫だとか父親だと思われてるでしょうね。
阿川 じゃ、嫌いなことは?
鎌田 嫌いなことかあ。考えたことないんだよな。ポジティブにしか考えないから。嫌いな人もいないし。
阿川 信じらんないッ!〉(『週刊文春』2007年3月22日号)
けれども今は書く。
怒らないなんていってないで、ときどき怒れ。これまで、産みの両親がぼくを捨てたのはきっと生きるための苦渋の選択だったのだと、自分にいい聞かせてなだめてきた。でも、「なぜぼくを捨てたんだ」という怒りを取り戻してもいいのじゃないか。もっと怒ればいい、と。
鎌田はまだ、生き足りないと思っているのかもしれない。
※本稿は、『わが人生に悔いなし』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
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