叶えたい夢はあえて口に出す
そもそも久志は、僕自身の経歴とかなりリンクする役柄でした。音楽大学に通っていたことも、イタリア歌曲やクラシックを歌ってきたこと、ピアノをやってきたこともそう。また、ファンの皆さんから《プリンス》と呼んでいただいている点も共通しています(笑)。あらゆる意味で運命的な出会いだったのですね。
普段、気の置けない友人の前ではダラッとしている僕ですが、仕事モードになった瞬間、背筋が別人のようにシャキッとします。決して無理をしているわけではなく、ミュージカルの清廉な空気がそうさせるのです。
僕のキャラクターは、ミュージカルの環境とファンの皆さんが作ってくれたものですが、気がつくと《プリンス》と呼ばれることをどこかで楽しんでいる自分がいる(笑)。皆さんに愛情深く育てていただいて、本当にありがたいです。
そんな僕は日頃から、叶えたい夢はあえて口に出すことにしています。口にすることで自分を追い込んでいくのです。ミュージカルだったら帝国劇場で主演をやりたい。ドラマなら、いつかは朝ドラに出たい。歌をやるなら武道館に立ちたい――。これらは昔から言い続け、すべて実現できたことです。ただ黙って待っていても状況は変わらない。言葉に出して動くことが、一番の近道だと思います。
ミュージカル俳優が、映像の仕事をする道筋はできてきました。ということで、僕はまた違うことをしたくなっています。これからもいろいろ新しいことを考えていますので、ぜひ今後の活動に期待していただければと思います。
コロナに翻弄された2020年も残り1ヵ月。どうか頑張りすぎず、たまには自分が楽になれる場所を見つけて肩の力を抜いてください。エンターテインメントでもいいし、違う何かでもいい。こういうときこそ、皆さんの好きなもの、心が動くものを大事にしてほしい。そしてつらい時は山崎育三郎を探してください。楽しいことを一緒にしましょう!