ヘッドマイクをつけて、レッスン開始。瀧島さんの明るい声かけが、幅広い世代の心をつかむ。合言葉は「パワーエイジング!」

87歳で突然のインストラクター・デビュー

なんでもやってみるものだなあと思ったのは、ジム通い5年目に水泳を始めたこと。金づちなのに、インストラクターさんにすすめられると興味がムクムクと湧いてきちゃって。それに、筋トレで疲れた体をほぐすのに水泳はぴったりですから、毎日泳ぐようにしたんです。飛び込みも教えていただいたし、肺活量も増えるし、いいことずくめで嬉しくなりました。

それで70歳を過ぎてからマスターズの水泳大会に出て、クロールと平泳ぎで大会新記録を出しちゃった。友達もたくさん応援に来てくれて。私は泳げない人生を送るはずだったのに、こんなことになるなんて信じられません。(笑)

さらに79歳のとき、筋肉はあってもヨガでバランスがうまくとれないことに気づいて。体幹を鍛えるため、パーソナルトレーニングに通うようになりました。そこでは、「上半身を逆三角形にしたい」「ブラジル人みたいにプリッとしたお尻にしたい」などの希望に合わせてメニューを組んでいただけるの。

毎日朝から夜まで運動をするのではなく、私に必要なぶんだけの運動で、体をつくっていきます。肩甲骨や背骨、股関節を整える「タキミカ体操」は、そのトレーニングの中でトレーナーの先生と一緒につくりあげたものです。

この先生にある日突然、「今日はインストラクターをやってもらいます。マイクをつけて」と言われたときは、びっくりして目が点。もともとタキミカ体操は毎日自分でやっていたし、87歳の私が話すと説得力があるって言うんです。最初は断ったのですが、「絶対にできます」と励まされて。

イヤだあ、と思いつつ、結局マイクをつけて45分間、生徒さんの前に立って「タキミカ体操」のレッスンをしました。87歳、これが私のインストラクターデビューです。