家族とはあえてお金で割り切る方法も

家族がいて、子どもがいるのであれば、契約関係のようなものを結んでもいいのかもしれません。毎月一定の額を支払うことを条件に、ある程度の面倒を見てもらえるように約束するのです。

例えば、年金から毎月10万円を子どもに渡し、身の回りの世話や外出の支援をしてもらう。介護の度合いが高まったら、子どもから不満が出ないように額を見直せばいいでしょう。

あるいは、額はそのままで、自分の家を遺産として子どもにゆずるという条件を提示するやり方もあり得るかもしれません。遺言の効力が問題になることがあるので、これについても早めにやっておいたほうがいいでしょう。

子どもがこのような条件を受け入れてくれるのなら、少しドライかもしれませんが、ギヴアンドテイクの関係にすべきです。感情的なもつれが生じにくくなって、症状が進行してもさっぱりとした関係を保てます。

認知症が進むと遺言の効力が問題になることも(写真提供:Photo AC)