写真はイメージです(写真:stock.adobe.com)
近年の研究で、脳と腸の密接な関係「脳腸相関」が解明されるなど、腸への関心は高まるばかりです。消化器専門医である江田先生いわく、海藻は腸内細菌に優れた影響を与え、健康効果につながるとのこと。そこで、料理家の井澤さんによる、さまざまな海藻をまるごと使えるレシピ本『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より、一部抜粋してご紹介します。今回は、日本人が持つ腸内細菌ついて。さらに、湿気たのりを使ったレシピも――(取材・文/川越光笑、撮影/宮濱祐美子)

居住地域によって腸内環境が異なる不思議

腸内細菌では、おもしろい例があります。

高地に住むパプアニューギニアの民族は、主食がさつまいもでほとんど肉を食べませんが筋肉質です。

なぜなら、彼らの腸の中には「窒素固定菌」が存在し、いものでんぷん(糖質)からアミノ酸を生成し、筋肉が作られるからです。

それと同じく、日本人は西洋文化が入ってくる明治時代までは肉をほとんど食べず、海藻や野菜、魚介類のたんぱく質で栄養を取り、筋肉をつけてきました。

欧米の肉食文化も、同様に地理的な理由があるのです。