「親の介護なんてまだまだ先のこと…」と思っていても、認知症の発症や転倒による骨折、入院がきっかけで【介護は予期せぬ形で始まる】ことが少なくありません。日本は介護制度が充実していますが、いざというとき、適切に利用するためにも介護サービスの種類や手続き方法などを知っておく必要があります。医師である著者・柴田元さんが、いざ直面した時に必要となる介護の基礎知識をまとめた著書『親の介護を考え始めたら読む本』より、一部を抜粋して紹介します。
介護保険サービスを利用するのに必須な要介護・要支援認定
親が高齢化してきて日常生活にも不便を感じるようになり、いざ介護保険サービスを利用しようと決めてもすぐにサービスを受けることができるわけではありません。
まずは要介護・要支援認定が必要になります。
65歳になると「介護保険被保険者証」が交付され、介護保険の加入者であることが証明されます。
この被保険者証があれば介護保険サービスが受けられると勘違いしている人もいますが、これだけではサービスを受けることはできないのです。
介護保険サービスと一言でいっても、サービスを受ける人の状態により要介護度ごとの支給限度基準額が決められています。
また、サービス利用料は実際のケアプランの内容によっても変わってきます。
そのため、体の状態によってどのぐらいの介護や支援が受けられるのか判定を受けて初めて、介護保険制度は利用できるのです。