福岡の郊外の家で、87歳の夫、58歳の息子と3人で暮らす83歳の多良久美子さん。4歳のときにかかった麻疹によって、最重度の知的障がい者となった息子さんは、平日は施設で暮らし、週末に家に帰ってきます。落ち込んだときも悲しいときも、とにかく手と足を動かしていたと話す久美子さん。そんな久美子さんが長年培ってきた「家の中を最高に楽しい場所にする」方法を綴った著書『83歳の私を支える家仕事』から、一部を抜粋して紹介します。
施設に入るのが難しいなら
自宅を施設のようにすればいい
50年以上、この家に暮らしています。もともと平屋で階段がないので、年をとってからも住みやすい家ではありますが、壊れたり古くなったりした部分は、リフォームしてきました。
5年ほど前にキッチンをリフォームしました。システムキッチンのパネルが傷んで、自分で応急措置をしていましたが、とうとうそれも難しくなってきて……。このとき、コンロもガスからIHに変更しました。これから年をとっていくので、電気のほうが安心かなと思ったからです。
2年ほど前に、お風呂をリフォームしました。車椅子でも入れるように、浴室と脱衣所の段差をなくしました。浴槽も浅くして、介護する人が使いやすいようにしたのです。
お風呂のメーカーさんからは、「少し小さめの浴槽にすると、金額が安くなりますよ」と言ってもらいましたが、やっぱり介護のことを考えて、今まで通りの大きめの浴槽にしました。
近所に住む90代の友達には、「まあその年で」と驚かれましたが、1年ほどして「私もやってみる」と、彼女もお風呂のリフォームをすることに。とても快適になったとのこと。「温泉に行かなくても、家で十分楽しいわ」と喜んでいました。
段差をなくし、浴槽も浅くするなど、介護する人が使いやすいお風呂にリフォーム(撮影:林ひろし/写真提供:『83歳の私を支える家仕事』すばる舎)