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大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが人気を博す中、平安時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「平安時代の病気」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

病の描写が続く『光る君へ』

登場キャラクターが次々に病に倒れている『光る君へ』。

前々回は道長が死の淵をさまよい、前回では三条天皇が目と耳を病んだ描写が描かれました。

特に病をきっかけに譲位を迫られている三条天皇がこの先どうなるか、目を離せない展開になっていますが、今回はそれら「平安時代の病気」について考えてみたいと思います。

そもそも平安時代の日本列島にはどれくらい人が住んでいたのか、という話はこの連載でも以前にしたことがあったかと思います。

西暦600年で600万人。これは聖徳太子の時代ですね。

それが関ヶ原の戦いの時点では1200万人。