イメージ(写真提供:Photo AC)
貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。第83回は「No No Girls THE FINAL」です。

前代未聞のオーディション

10月から配信が始まった、ちゃんみな×BMSGのガールズオーディション「No No Girls」(通称:ノノガ)の最終審査「No No Girls THE FINAL」が1月11日、Kアリーナ横浜で行われ、2万人の観客を動員した。

ノノガは、応募条件一切なし。なんと身長・体重・年齢不問という前代未聞のオーディションだった。公開型のサバイバルオーディション番組が次々と行われ、ガールズグループが乱立する中でも、ノノガは一際異彩を放っていた。

アイドルやガールズグループと言えば、若さ、可愛らしさ、細さなどが求められる傾向がとても強い。体型がすごく重視される点だと思う。健康的な細さというより、ちょっと心配になるくらいのレベルの細さを要求されるのがこの世界だ。10代半ばでデビューする子も多く、さらにデビューしても20代前半で卒業する場合が本当に多い。

だから、応募には10代という条件が付くことも多く、候補者が20歳を過ぎれば「もう遅い」と言われてしまうような世界だ。

そんな中、あらゆる条件を不問としたのは画期的だった。しかし、プロデューサーがちゃんみなであることを考えれば、それも腑に落ちる。

彼女はノノガのプロデュースでまさに革命児として世に広く知られることとなったが、以前から既存のスタイルに囚われない姿勢を貫いていた。ヒリヒリ、ドキッとするような、かなり攻めた歌詞や、舞台上での超独創的なパフォーマンスで常に鮮烈な印象を残す。バックダンサーも、属性もビジュアルも実に多様な人が集まっていて、多様性を体現したような舞台をいつも見せてくれる。

また、妊婦姿で、大きなお腹を出した衣装でステージに立ち、ノノガのイメージソングでもある「NG」では、妊婦姿にさらにミニスカやタトゥーなど、かなり斬新なスタイルで歌い踊っていた。常に常識を覆し続ける彼女は、型にハマらないからこそ表現できるもの、作り上げられる世界観がある。それを身をもって証明し続けて来た。