2、「何が起きたか」だけでなく、「そのとき自分がどう考えたか」を見る

精神科では、相談に来た方と一緒に、何が起きているのかを整理していくことがあります。なぜなら、つらいときほど、人は目の前で起きた「出来事」ばかりに目を向けてしまい、自分の中で起きていることには気づきにくいからです。

たとえば、「何が起きたのか」「そのとき、自分はどう考えたのか」「その考えによって、どんな気持ちになったのか」「その結果、体にはどんな反応が出たのか」――この順番で、一つずつ振り返ってみます。

認知行動療法では、このように出来事と、そのときに浮かんだ自動的な考え、感情などを整理していきます。「何が起きたか」は覚えていても、「そのとき自分が何を考えたのか」「本当はどんな気持ちだったのか」までは、意外と見えていないことがあります。

例えば、友人にLINEを送ったときに、なかなか返信が来なかったときはどうでしょうか。「返信が来ない」ことが気になって、「何か気に障ることを言ったのかな」「嫌われたのかもしれない」という考えが浮かび、不安になって、何度もスマホを確認しては胃が痛くなってきた、ということもあるでしょう。

こうして一つずつ見ていくと、「自分はこういう場面で、こう考えやすいんだ」という思考のクセが見えてきます。「私は、こういうことがあると、こう考えるんだ」と気づくだけでも、自分の状態を客観的に捉えやすくなります。