更年期にさしかかると、女性ホルモンの減少によりホルモンバランスが乱れ、《疲れ、イライラ、不安感、ほてり、めまい》などの不調が現れます。このゆらぎ世代の不調と向き合う第一歩は「症状を理解し、正しく知ること」です。そして不調を改善する鍵は「自律神経の力」と、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師である森田遼介さんは語ります。東洋医学の視点から6つの体質タイプに分類し、自分の体質に合うセルフケアが見つかる、森田さんの著書『東洋医学が効く!更年期と自律神経をととのえる本 』より、一部を抜粋して紹介します。
「冷え」と五臓の「腎」の働き
東洋医学では、更年期の不調は五臓の「腎」のエネルギーの衰えが原因と考えます。
なかでも【冷え】は「腎」の働きを低下させるのみならず、さまざまな不調の元凶と言っても過言ではありません。
季節に合わない薄着での外出や肌を露出したファッションは避けましょう。
また、寝るときにパジャマがはだけてしまったり、氷やアルコールなどで身体の内側から内臓を冷やしてしまうことも、更年期症状を悪化させる原因です。
「腎」とは水分代謝を司るところで、西洋医学の腎臓の働きとも似ています。これを東洋医学では「腎」の生理作用の一つである主水作用と言います。
「冷えは万病の元」と言いますが、たとえばこの主水作用がうまく働かないと、血行不良が起こり、下半身がむくんだり冷えたりし、更年期症状にも大きく影響します。(※五臓とは:東洋医学で「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」