家族の絆がより深く結ばれた

治療も終盤に近付き体調も落ち着いてきた頃、気分転換がてら海へ向かった。いつもはママにべったり、ママっ子の息子が不思議とこの日はパパの抱っこをせがむ。少し照れくさい私に向かってくるその瞬間を妻が撮影してくれた。

この時間があるのも主治医の先生をはじめ、医療従事者の皆様や友人、知人たちの様々な形での支えがあったからこそだと心から感じている。そして何より、妻と息子のサポートが自身の大きな力になったのは言うまでもない。

がんになって良かったとは決して言えない。しかし自分自身、家族、病気、命とは何かをじっくりと向き合い考えるきっかけが出来たことで、家族の絆がより深く結ばれたのは紛れもない事実だと感じている。

がんとの闘いは終わったわけではないけれど、がんサバイバーとしての経験を人生の糧として、これからも家族との時間を大切に生きていこうと思う。


第13回 リリー・オンコロジー・オン・キャンバス
がんと生きる、わたしの物語。コンテスト 受賞作品一覧

・絵画部門最優秀賞『きらきらゆらゆら悔いなく自分らしく
・絵画部門優秀賞『おかあさん ありがとう
・絵画部門入選『再生した私
・絵画部門入選『また逢う日まで
・写真部門最優秀賞『焼きおむすび
・写真部門優秀賞『はじめて並んで歩いた日
・写真部門入選『自然のいのちとわたしの生命(いのち)