娘が私の手を引いて教室へ行き

2学期が始まる前に、担任の先生へ会うために学校へ行った。妻が先生に事情を伝えていると、娘が私の手を引いて教室へ行った。教室に入ると娘は、2学期に自分が座るはずだった席に座った。そして黒板に1つの約束を書いた。「4年生になったら帰ってくるよ。」

しばらくして教室を出る時に、小さく「バイバイ」と呟いた。その一言にどれだけの想いが込められていたのか、私には計り知れなかった。
たくさんの友達は、彼女が彼女らしく生きるためにとても大切な存在だった。

その後、クラスのお友達からたくさんの手紙や写真が届いた。みんなが一生懸命祈ってくれた1羽1羽が不揃いな千羽鶴は、いつも娘の近くにある。

親として娘が大事にされていることがとても嬉しく、涙がこぼれた。お友達のみんな、ありがとう。先生ありがとう。

お友達には帰ってくると約束した。
君は約束を守る子。絶対に大丈夫だよ。


第14回 リリー・オンコロジー・オン・キャンバス
がんと生きる、わたしの物語。コンテスト 受賞作品一覧

 【最優秀賞】 

【優秀賞】 
・絵画部門  『あの日の風景
・写真部門  『約束
・絵手紙部門  『小さなことに喜びを

【入選】 
・絵画部門 『希望の光を求めて
・絵画部門 『キセキ ~すべてに感謝~
・写真部門 『二人で来た道、これからも
・絵手紙部門 『かぞくのじかん
・写真部門 『最後の手打ちうどん
・絵手紙部門  『朝日さす


第13回 リリー・オンコロジー・オン・キャンバス
がんと生きる、わたしの物語。コンテスト 受賞作品一覧

・絵画部門最優秀賞『きらきらゆらゆら悔いなく自分らしく
・絵画部門入選『また逢う日まで
・写真部門最優秀賞『焼きおむすび
・写真部門優秀賞『はじめて並んで歩いた日
・写真部門入選『自然のいのちとわたしの生命(いのち)
・写真部門入選『家族
・絵手紙部門最優秀賞『看護師達
・絵手紙部門優秀賞『大丈夫
・絵手紙部門入選『あなたの分も生きていきます
・絵手紙部門入選『「おいしいね」と言える幸せ